庭のワレモコウ

おひとりさま 趣味と日常のあれこれ

漂流

漂流 (新潮文庫)


吉村昭


随分前からの愛読書の一冊。


登場人物達の心の浮き沈みや風景が生き生きと目に浮かぶ秀作だと思います。


日本が鎖国していた時代、脆い木造の帆船で嵐に巻き込まれて遥か南東の無人島に漂着する話です。



ところで、こういった無人島への漂流モノに女性が主人公の話はあるのでしょうか。今のところワタシは知りませんが、もしかしたら有るのかも??


ただ女性というのは、往々にして他者への投影により自己を認識する性質が強いと思われ、投影できる他者が存在しない中たった一人で何年も生き続けるというのは難しいように感じます。だからないのかな。


何度読み返しても切なくなる話です。

愛の流刑地

愛の流刑地 [DVD]


邦画も観ます。

隣町の映画館に、夜の国道を自転車で疾走して観に行きました。レイトショーだったかも。


ダイエットペプシとポップコーンを抱えて後ろ寄り中央の席に着き鑑賞、

しようと思ったら、手が滑ってポップコーンを前の席にぶちまけてしまい恥ずかしい思いをしました。


周りは中年カップルだらけ。顰蹙度合いMAXでした。


上映直前だったので係員を呼び、自分でも拾えるだけは回収しました。


寺島しのぶが最高でした。


物凄く可憐で愛らしい。


浴衣に着替えて花火を見に行くシーンも印象的で、ぶっちゃけ始めは地味な主婦にしか見えなかったのに好いて好かれた相手とのお出掛けに控えめながらもはしゃぐ様子がとても素敵で観ている者の心に響いた、と思う。


豊川悦司も『20世紀少年』より良かった。

大統領の執事の涙(THE BUTLER)

大統領の執事の涙 (字幕版)


この映画はとても良かった。

綿花畑の奴隷として生まれた主人公がどんな経緯でホワイトハウスの執事となったのか、動と静入り混じった展開に目が離せなかったです。


そんな中、ジョン・キューザックは執事が仕えた代替わりして行く大統領の一人なのだけど、

合衆国の頂点に立つ人間というのは孤独なんだろうなと、そんな雰囲気が良く出ていたと思う。

アイデンティティ(IDENTITY)

アイデンティティー (字幕版)


2003年公開

こちらもDVDでの鑑賞。


この話は多重人格モノとしては面白いし上手く見せていると思います。

ジョン・キューザックの憂いを含んだ目つき、というか疑念を払拭出来ない違和感を覚えているジリジリした焦燥感というか、そんな上目遣いなところが好きだったり。


ただ最後のオチについては、

数年前に社会現象を起こしたと騒がれた『君の膵臓を食べたい』をTV放送で観た(衝撃の結末との煽り文句に見事釣られて最後まで観てしまった)時にも感じたウンザリ(げんなり)感満載なのですが。



バッドエンドだから嫌い、という訳でもありません。


バッドエンドで有名なキング原作の『ミスト』なんか、それこそ茫然自失な結末だし。でも呆然自失なのは主人公本人もだから、観ているこちら側は呆れつつも少し冷静さを保てるのではないかと思います。


アイデンティティ』に話を戻すと、結末までのスリルある物語の終わり方としてもうちょっと、個人的な趣味から言わせて貰うとジョン・キューザックにハッピーなオチにして貰いたかった、というだけです(・∀・)


暇だとつい家にあるDVDを繰り返し観てしまうのですよね。。

ハイ・フィデリティ(HIGH FIDELITY)

ハイ・フィデリティ 特別版 [DVD]


ジョン・キューザック愛を語りたい、
そんな思いで書いているのにちっとも愛溢れる内容になっていない、ような気がします。

『ハイ・フィデリティ』は映画館では観ていません。
ちょうどその頃付き合っていた、目元がジョン・キューザック似の彼には映画を観る趣味が無かったので、映画デートというものが殆どありませんでした。
付き合った期間2年と結婚期間5年半を通して彼と観た映画はおそらく『アイズ・ワイド・シャット』一本ではないかと思います。


それも、ワタシが一人でレイトショーに行った話を聞いて自分も連れて行けとゴネられまして、映画鑑賞の趣味はないけどワタシが一人で楽しむのはイヤ!という何だかよく分からない理由で一緒に行くはめになり、二度も映画館で観てしまった作品です。
元ダンナはトム・クルーズニコール・キッドマンの怪しげな仮面舞踏会のシーンにひどく幻惑されたようで帰り道、ふわふわ歩いていました。

いけない。『アイズ・ワイド・シャット』には全く思い入れがないというのに長々と・・


そんな訳で『ハイ・フィデリティ』はDVDで観ています。
繰り返し観ており20回は観ているんじゃないかと思いますが、これからも観続けると思います。

正直なところ初めて観た時にはそれほど面白いとは思えず、
キャサリン・ゼタ=ジョーンズは奔放で華やかな美人の役にぴったりだよね、とか
ジャック・ブラックがやばいんだけど、とか
な感じでした。

ですが何度も観ているうち、じわじわと面白さが浸透してきたといいますか、
彼女に出て行かれて腹を立てたロブ(ジョン・キューザック)が、ローラがどれほど自分にふさわしくなかったかとあげつらって行くうちやっぱり彼女の好いところTop5になってしまって、
少しずつ心の奥の気持ちと向き合っていく過程が観ているこちらの気分と微妙に重なってきて、つい何度も観てしまっています。

音楽も良いですし、
自分好みの音楽をテープに編集してプレゼントする(される)、ってあったなぁ・・
と思い出しました。

今も手元に残るテープというのは一本もありません。ちょと寂しい。

ペーパーボーイ 真夏の引力(The Paperboy)

ペーパーボーイ 真夏の引力 (字幕版)


日本で2013年頃の公開でしたか。


60年代アメリカじゃ絶対受け入れて貰えないであろうゲイを見事に演じたマシュー・マコノヒーが凄いなぁと思いながら映画館で観ました。


ニコール・キッドマンも割と好きです。ワタシ的には『アイズ・ワイド・シャット』の知的で気高いイメージが強かったけれども、なかなかでした。数年後となる昨年、新宿ピカデリー爆音映画祭でパンクの女ボスな役を観た時には当時ほどのインパクトはなかったです。

パーティで女の子に話しかけるには』ですね、2018年始めに爆音上映で観ました。失礼ながら意外にもエル・ファニングが可愛らしくてアレックス・シャープがこれまた良くて印象に残る映画でした。


パーティで女の子に話しかけるには(字幕版)


このアレックス・シャープの嬉しそうなお顔が好きです。お気に入りの音楽を好きな女の子と分け合って聴く幸福感が伝わってきます。



脱線しましたが、、

この作品のジョン・キューザックは実はあまり記憶に残ってないのですよね。何て言うか、ロクデモナイ猟奇的な殺人者の役は上手かったと思うのですが、いかんせんマシュー・マコノヒーが良すぎたかな〜と思います。


あくまでも、個人的な感想です。