プロミシング・ヤング・ウーマン
先日、1年ぶりに映画館で映画を観た。
あらすじは巷に溢れているので割愛する。
キャリー・マリガンが30歳という設定は多少無理を感じたが、それでも可愛さは健在だった。元クラスメイトの男性と恋仲になって浮かれてる描写は退屈したけれども。
医学部のクラスメイトはほぼ男子だっただろうという状況下でのレイプ事件のポイントは、『このままいけばニーナが首席で卒業できるほど優秀』だった事だと思う。
もしもクラスメイトの男子たちに遅れを取るような学力の女子であったなら、前後不覚に酔っ払う事があってもそういった経緯にはならなかったろうという。西暦2000年も20年近く経ってから米国でこのストーリーが成立し評価される事に少し驚いた。女性の権利ってのは日本よりもっと進んでたのではないのか、という驚きというか失望。
医学部に入学するくらいだからそれなりにエリートな男子たちに混じる少数派の女子の立場は非常に危うい。その中で突出する女子は更に危険だ。男ってのは、自分より優秀な女の存在を認めないものだし、同性である女子も味方になるとは限らない、という点もちゃんと描いてる。
自分らが破滅させた将来有望な女子など記憶から綺麗さっぱり忘れて前途洋々、生きている男性たちに、身を賭して報復する哀しい女性の話と理解した。展開に無理があるのでは、といったツッコミもあるがそこは重要ではないので置いておく。
女は馬鹿で可愛い方が良いという価値観は、まだまだ残るんだな。と苦々しく思うがそれをポップな映像と音楽で表現したのはなかなか斬新で良かった。ただ音楽の好みが合わないのでそこがワタシには辛かった。😅
隠蔽捜査
竜崎を主人公とする警察小説です。
シリーズは警察庁長官官房に居た竜崎がとある事件をきっかけに降格となり所轄の署長になる、までが最初の話で、次からは大森署の署長として活躍する話に続いています。
この6のタイトルが『去就』なので異動するのかどうか、捜査員の戸高に感情移入した感じにヤキモキさせられるのですけれども。
戸高、毎回良い味出しています。
態度が悪くて競艇好き?(好きで行っているのか情報屋に会ったりの関係で行っているのかは不明)なキャラ設定ですが、容姿についての言及があまりないのですよね。気づいてないだけかな。
痩せているのか筋肉質なのか(太ってはいないと思う)表情が憮然としてるだとか無表情だとか、はありますが造作や着るものについて書かれていないので、どんな人物を思い浮かべれば良いのか毎回考えてしまいます。
という訳でシリーズが続く限り読んでしまうでしょう。
勧誘
大学を卒業して数年後の話です。だいぶ昔の話ですね。
学生時代の友達の友達、という関係で薄い友人関係が続いていた人が居ました。
卒業後の住まいが同じ沿線沿いだった事もあり、年に一度か二度会っていたと思いますが、時間にルーズで借りたものを何度催促してもなかなか返さない彼女をワタシは好きではありませんでした。
そんな或る日、美味しいご飯をご馳走するから家に来てとの誘いにのこのこ出向いたワタシは、強烈な勧誘に衝撃を受ける事となりました。
彼女の家には先輩だという女性が3人ほど居て、彼女を含めた4人がかりでの猛烈な勧誘です。
ご馳走、にはなりました。彼女達が誇る高機能な鍋で作ったという手料理を、その仲間に入る事の素晴らしさを力説する4人の女達に囲まれる中で。
味など覚えちゃいません。
数時間の説得にも関わらず渋るワタシに業を煮やした彼女は、大学時代の共通の先輩に電話を掛け説得を依頼したのでした。
先輩までこの集団なのかという絶望感、というかこの人の誘いで彼女が入会したのか、などなど卒業以来交流のなかった先輩との会話に懐かしさを感じる暇もなく言質を取られぬよう躱すのが精いっぱいでした。
結局ワタシが逃げ回ったおかげでその一員になる事もなく終わりましたけれど、あのおそろしい手口は忘れられません。どうやら複数人で一人を説得して仲間に引き入れるというのは常套手段なようですね。
今でもこういった勧誘があるのかどうかは知りませんが、あの当時スマホや携帯がなくて何よりでした。
家の固定電話で居留守を使えば薄い友人関係など簡単に断つ事も出来た時代です。
運命の人
若い頃の話です。
付き合っていた男性にこっぴどく振られ、それを自分の中で全く消化出来なかったワタシ。
めそめそめそめそ泣いて愚痴愚痴愚痴愚痴と女友達に話を聞いて貰っていました。
彼はワタシからの罵詈雑言を尽くした非難メールも完璧に無視していたのですが、どうした事か度々外出先ですれ違ったり顔を合わせたりしていました。
例えばとある昼下がり、国道の横断歩道で信号待ちをしていると右手から走ってくる見覚えのある車、彼はワタシを認識したでしょうが唇を固く結んで真っ直ぐ道路だけを見つめてワタシが佇む横断歩道を通り過ぎました。
また或る日は行きつけの店に行くとカウンターに座る彼の後ろ姿が目に入ったりもしました。
そんな話を延々と女友達に聞かせていたのでしたが、数ヶ月経ってもちっとも変わらないワタシに彼女は言いました。
あんたね、そんな風に会うなんて
『やっぱり運命の人!』とか思っちゃってるんでしょ。
違うから。
近所だから。
同じ街に住んでるだけだから。
。。。
熱に浮かされたように、狂ったように、いや多分狂ってたんだな、元カレの話ばかりするワタシの頭を冷やしてくれた女友達でした。
さすがに黙っちゃいますね、こんなズバリ指摘されたら。
結局この元カレを想いすぎて泣いて暮らした日々は、500円玉大のハゲを三つも発見したことにより終わる事となりました。
駆け込んだ皮膚科の先生に
痛いけどすぐ効くやつと
痛くないけどゆっくりなやつ
どっち?と二択を迫られ、当然の如く痛いヤツを選択しました。
そして週に一度、ハゲの周囲にプチプチと針を突き刺されに通ったおかげで500円玉より大きくなりつつあったハゲは何とか髪の毛を取り戻し、髪への執着と反比例して元カレへの執着を失いました。
運命の人では無かった、という出来事でしたが、スピッツは変わらずに好きです。